やまぐちの隠れた日本一。「成人式」の世界、教えちゃいます。

こんにちは。はじめまして。
山口県光市出身、光市在住の石川です。Twitterでは主に @y3sei でTLをお騒がせしています。

この記事は、2016年アドベントカレンダー「やまぐちの魅力 Advent Calendar 2016」の15日目の記事になります。
昨日はTakashi Hiramotoさんの「12/14までにやまぐちの魅力を発見出来ませんでしたm(_ _)m」でした。

 

私自身は普段は株式会社ステラリンクというIT系の零細企業を経営していて、システム開発やウェブサービスの運営などをしています。
山口県に本社を持つウェブサービスの会社というのもちょっとめずらしいと言われますが、今回は魅力発信というテーマなので、そちらの経営的な話題はまたの機会としまして…。
おいしいものとか名所的なものとかは他の方がエントリーされることを前提に、統計等の数字に乗ってこない、あまり知られていない気もするコンテストで日本一を取った経験があるという話をしたいとおもいます。

 

国内や海外を含め、さまざまなコンテストが開かれ日本一の称号や世界一の称号を得ていると思います。
ほとんどご存じの方がいないような気もしますが、実は、日本のよき伝統文化のひとつ「成人式」にもこのコンテストがあります。
成人式は抽象的な表現をすれば「成人の日記念行事」とでも言ったところでしょうか。

元々の成り立ちは、元服・褌祝、裳着・結髪などがそれにあたるとされていますが、現代では成人の門出をお祝いする催事として1946年に現在の埼玉県蕨市で開かれた「青年祭」が現代成人式の発祥とされています。それ以来全国に広まり、日本の伝統のひとつとして全国どこでも開かれる季節の行事へと進展しているというのが成人式の実態です。現代成人式の発祥については、埼玉県蕨市の蕨城址公園に記念碑が建立されていることからも確認できます。
この蕨市の「青年祭」がきっかけとなり、「おとなになったことを自覚し、みずから生きぬこうとする青年を祝いはげます」という趣旨のもと、「成人の日」、すなわち1月15日(現在は通称ハッピーマンデー法により1月第2月曜日)を制定したとされています。

成人式のイメージといえば、近年では報道の成果もあってか「荒れている」というイメージが強く印象づけられてしまっているように思いますが、現在の成人の日が制定された趣旨である「おとなになったことを自覚し、みずから生きぬこうとする青年を祝いはげます」という「おとなになったことを自覚」「祝いはげます」ことや、荒れた成人式に対する報道の過熱に対するアンチテーゼとしても、元来あるべき趣旨と今後に向かって新たな進化を遂げる成人式や成人の日の催事について審査し評価をまとめる研究会「新成人式研究会」ならびにコンテスト「成人式大賞」が設立されました。
このコンテストは、現在日本における成人式の良い取り組みを評価する唯一のコンテストとなっていて、昨年度開催の催事を大賞にしたコンテストでは全国から78の自治体から応募があり、最終結果として32の自治体が評価されるに至っています。

成人式大賞では、完全な序列があるわけではないようですが、ほぼ以下の順のような賞が設定されています。

  • 成人式大賞
  • 成人式準大賞
  • 成人式優秀賞
  • 成人式奨励賞
  • 成人式アイデア賞
  • 成人式話題賞
  • 成人式企画賞
  • 成人式努力賞

また、大賞受賞自治体を殿堂入りとして扱い、大賞受賞自治体のみを対象にした賞も設定されています。

  • 成人式特別貢献賞
  • 成人式貢献賞

 

成人式で「日本一」の称号を持った市が山口県にある!

この成人式大賞ですが、実は2001年からはじまって、昨年度までで16回を数えます。
「成人式大賞」が出来て実際に受賞自治体が生まれたのが2003年からですので、これまで実質14回、14の自治体が受賞したことになります。(大賞グランプリのみ連続受賞はないので)

受賞自治体を2003年から順に整理してみました。

  • 広島県広島市
  • 岩手県奥州市水沢区
  • 京都府京都市
  • 東京都町田市
  • 大阪府貝塚市
  • 石川県七尾市
  • 兵庫県小野市
  • 京都府亀岡市
  • 山形県山形市
  • 愛知県碧南市
  • 栃木県高根沢町
  • 山口県光市
  • 岐阜県瑞浪市
  • 岩手県花巻市

そうです、私の地元、光市は大賞を受賞しています!

中四国九州エリアでみると、第3回の広島市以来の受賞です!

しかも、当時は受賞したことをきっかけに、「日本一の称号を持つ成人式」として、NTV系の「月曜から夜ふかし」で取り上げられたこともあります。

 

光市の成人式はここがすごい!

成人式大賞2014の大賞の賞状と記念盾

成人式大賞2014の大賞の賞状と記念盾

「成人式」といったらどういうイメージがありますか?
スーツ、晴れ着、演台、ハの字(壇上で主催と来賓がずらっと並んでいる)、盆栽、話が長い、みたいな感じでしょうか。
あとは女性陣では朝が超早い、という思い出もあるかもしれません。
堅苦しいですね。

光市でも他と同じように荒れた時期を経て、さまざまな独自の取り組みで進化してきて大賞を射止めた光市の成人式は、そんなものありません。

  • 午後からスタート(朝がゆっくりできる)
  • 来賓はすべて客席(最初から壇上にはいない)
  • もちろん盆栽はない
  • オープニングは新体操やバレエなどの華やかなダンスから
  • 代表者の登場もファッションショーまではいかないが華やかに登場
  • 音、光(照明)、映像がフル活用された舞台演出
  • 座席は自由席
  • 家族席・一般席がある(公開型成人式)
  • 継ぎ目のない演出構成
  • 参加から、全員が主役になれる演出構成

この取り組みのすべての中心は「新成人が主役」という共通意識のもと、自治体主導から実行委員会主導の方式へシフトし、毎年少しずつさまざまな取り組みをして変更してきた成果でもあります。
大賞を取りたいからすぐにマネしてしまおうという発想はありそうですが、20年くらいかけてちょっとずつマイナーチェンジを繰り返した結果がこの評価ということで、アドバイスはできるかもしれませんが、マネをしても良いものにはならないのではないかなと思います。

オープニングステージは新体操クラブ

オープニングステージは新体操クラブ

新成人代表の発表。オケピットでインタビュー形式で。映像で知らない学校の人にも伝わるような工夫。

新成人代表の発表。オケピットでインタビュー形式で。映像で知らない学校の人にも伝わるような工夫。

吹奏楽ジョイント演奏。最後は市内中学校の校歌メドレー

吹奏楽ジョイント演奏。最後は市内中学校の校歌メドレー

 

来年2017年は1月8日に開催予定で、一般席もありますので、気になる方はもしよかったら見学されてください。

 

光市以外にも表彰された自治体がある!

成人式大賞2016の結果。下松市の文字が!

成人式大賞2016の結果。下松市の文字が!

山口県には13市6町の自治体があります。

成人式大賞が制定されて以降、光市以外に、下関市、防府市、周南市、下松市がそれぞれ何らかの賞を受賞しています。
アイデア賞や企画賞、奨励賞など、唯一の評価機関となっている新成人式研究会の審査委員会で話題としてもらえる内容や取り組みがそれぞれ独自に行われていて、ただ参加することから思い出に残る、新成人が主役になれる、そういった視点の催事へと進化していく努力が行われています。

これまで、岩手県と京都府で2つの自治体が大賞受賞経験があるものの、他の大賞受賞自治体は都道府県別には1度だけですし、まだ大賞受賞経験のない都道府県のほうが多い状況で、それだけ高いレベルで新成人に自覚を与えつつ楽しませようという努力の結果が垣間見えます。
優秀賞以上の賞を受賞した自治体は山口県内では光市以外にはまだ出てきていませんが、光市のお隣、下松(くだまつ)市が2013年から連続受賞して徐々に上位に食い込んできているようですので、次の県内の大賞候補は下松市に期待しています。

一度大賞を受賞すると殿堂入り扱いとして複数度の大賞受賞はない制度ですが、現在はより高みを目指す仕組みとして「貢献賞」「特別貢献賞」という制度が設けられ、大賞受賞自治体の中からよりよい催事を開催している自治体を表彰する制度があり、まさに高いレベルでしのぎを削っている状態です。

2014年に大賞を受賞した山口県光市では、昨日12月14日に年内最終会議を終えて、催事まで1ヶ月を切りラストスパートに入りました。
実は光市の成人式(催事の名称は「光市成人のつどい」としています)の企画運営を2004年からお手伝いしていて、2012年からは企画運営委員長として催事の検討と当日運営プロデュースの中心の役をさせていただいています。はい、そうです。大賞を受賞したときは私が委員長でした。何度か受賞に関連して表彰式にも伺っていて他自治体との繋がりも少しずつ広がりつつあります。

いま日本の成人式の世界の最先端では、努力している自治体間で情報交換し、情報を共有し、よりよい取り組みをしていこうという流れが加速しつつあります。
縁あってこの取り組みの中心としてお誘い頂いていまして、独自に取り組んできたことを県内の他の自治体に広めると同時に、「荒れた」とよくいわれるさまざまな全国の自治体へと良い流れを波及させていこうという流れの中にいます。
山口県がこういった良い渦の中心にあるんだ!という宣言をして本ブログをまとめとすると同時に、小さくてもいいのでもっと「やまぐちの魅力」が全国に轟くようになってほしいと願っています。

 

さて、「やまぐちの魅力 Advent Calendar 2016」、明日は馬刺しちゃんです。

カテゴリー: 日常 パーマリンク

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